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フランス語のココが難しい!【その3】目的語となる人称代名詞の位置と使い方

2022-10-21

これまでに、私が難しいと感じているフランス語の名詞の性別、前置詞と定冠詞の縮約、形容詞について以下の記事でご紹介してきました。

今回も引き続き、私がフランス語を話す上で難しい!と感じている部分について、なんとか覚えられるようご紹介していきたいと思います。

今回は、【目的語となる人称代名詞】についてです。

それではまず【人称代名詞】とは何かから見ていきましょう。

人称代名詞

人称代名詞は以下のように定義されています。

人称代名詞(にんしょうだいめいし)とは、話し手、受け手、および談話の中で指定された人や物を指す代名詞である。

出典:ウィキペディア「人称代名詞」(最後に閲覧した日:2022年10月11日)

ではフランス語では人称代名詞はどのようになるのでしょうか。

1.主語になる人称代名詞

日本語フランス語
私はje (ジュ)
君はtu (テュ)
彼(それ)はil (イル)
彼女(それ)はelle (エル)
私たちはnous (ヌ)
君(あなた)たちは/あなたはvous (ヴ)
彼ら(それら)はils (イル)
彼女ら(それら)はelles (エル)
主語となる人称代名詞

フランス語には名詞に性別があるので、人ではない『モノ』に対しても性別があります。

そのため、『それ』や『それら』の場合も『il』と『elle』、『ils』と『elles』が存在します。

また、『vous』が少しややこしいのですが、フランス語では、親しい人と親しくない人とで『あなた』の使い方が変わります。

日本語の『君』『あなた』『お前』『あんた』と相手によって使う単語が違うのと同じです。

『tu』と『vous』の違い

『tu』
①話しかける対象が一人で、その対象が家族や友人など親しい人の場合
②話しかける対象が一人で、その対象が子供の場合

『vous』
①話しかける対象が一人で、その対象が初めて会った人、お客さん、お店の人などあまり親しくない人の場合
②話しかける対象が二人以上(複数)の場合→対象が誰であろうと『vous』を使います。

『tu』を使うとき

☆友達に話しかける場合
Tu vas bien?
テュ ヴァ ビアン?
(元気?)

☆子供に話しかける場合は、初対面でも『tu』を使います
Quel âge as-tu?
ケラージュ ア テュ?
(何歳?)

『vous』を使うとき

☆お店の人に話しかける場合
Est-ce que vous avez des pommes?

エ ス ク ヴ ザヴェ デ ポム?
(リンゴは売っていますか?)

☆複数の友達に話かける場合
Vous venez chez moi ce soir ?

ヴ ヴネ シェ モワ ス ソワール?
(君たち今夜うちに遊びにくる?)

私は普段フランス人の夫やその家族とフランス語を話すことが多いので、常に『tu』を使っているのですが、たまに道端で知らない人に道を聞かれて答える場合もすぐに『tu』を使ってしまい、毎回「間違えた!!」と後悔しています(^-^;

その点英語は『あなた』に使い分けがなく『you』で済むので簡単ですよね。

主語になる人称代名詞の場合は日本語と同じで文の最初に来るので、使うときの位置に問題はないかと思います。

2.目的語になる人称代名詞

続いては【目的語になる人称代名詞】について見ていきましょう。

私が難しいと感じるのは、この【目的語になる人称代名詞】です。

目的語には、『~を』で示される【直接目的語】『~に』で示される【間接目的語】の2種類があります。

目的語の詳細についてはウィキペディアでご確認ください。

先に【直接目的語】と【間接目的語】になるフランス語の人称代名詞を確認しておきましょう。

日本語直接目的語『~を』間接目的語『~に』
me (ム)me (ム)
te (トゥ)te (トゥ)
彼(それ)le (ル)lui (ルイ)※『それ』は対応不可
彼女(それ)la (ラ)lui (ルイ)※『それ』は対応不可
私たちをnous (ヌ)nous (ヌ)
君(あなた)たち/あなたvous (ヴ)vous (ヴ)
彼ら(それら)les (レ)leur (ルール)※『それら』は対応不可
彼女ら(それら)les (レ)leur (ルール)※『それら』は対応不可
目的語となる人称代名詞

注意書きに書いてある通り、【間接目的語】の場合、人以外のモノ、つまり『それ』にあたるものは、人称代名詞に変換することできません。

【間接目的語】の場合は、目的語が『人』の場合のみ人称代名詞に変換が出来ると覚えておいてください。

反対に、【直接目的語】の場合は、目的語が『人』、『モノ』両方代名詞に変換することが出来ます

直接目的語『~を』

ではまず【直接目的語】から見ていきます。

分かりやすく日本語で考えてみると以下のようになります。

直接目的語

私はテレビ見る。
あなたはズボン履く。
彼はちりまり愛している。
私たちはフルーツ食べる。

上記の場合、『テレビ』、『ズボン』、『ちりまり』、『フルーツ』が直接目的語に当たります。

ではこの文章をそのままフランス語に直してみましょう。

直接目的語を使ったフランス語

私はテレビ見る。
je regarde la télévision.
(ジュ ルガルドゥ ラ テレヴィジオン)

君はズボン履く。
Tu portes un pantalon.
(テュ ポルトゥ アン パンタロン)

彼はちりまり愛している。
Il aime Chirimari.
(イレーム チリマリ)

私たちはフルーツ食べる。
Nous mangeons des fruits.
(ヌ マンジュオン デ フルイ)

例を見て分かるように『~を』となる直接目的語の場合、動詞のあとに目的語が直接置かれます

そのため【直接目的語】と呼ばれるのでしょう。

では次に、直接目的語を【人称代名詞】に変えてフランス語で文章を作成してみましょう。

直接目的語を人称代名詞に変えた場合

私はそれを見る。
je la regarde.
(ジュ ラ ルガルドゥ)

君はそれを履く。
Tu le portes.
(テュ ル ポルトゥ)

彼は彼女を愛している。
il l’aime.
(イル レーム)

私たちはそれらを食べる。
Nous les mangeons.
(ヌ レ マンジュオン)

フランス語になった場合、なんと直接目的語となる人称代名詞は全て動詞の前に置かれます。

これが英語と違う点になります。

上記の例にない『me』、『te』、『le』、『nous』、『vous』も同様に、全て動詞の前に置かれます。

また、繰り返しになりますが、直接目的語の場合、人称代名詞に置き換えることが出来るのは、【人】、【モノ】両方です。

間接目的語

間接目的語は、『~に』を使って表される目的語になります。

こちらも分かりやすく日本語でまず考えてみましょう。

間接目的語

私はちりまり電話する。
彼はプレゼントを買う。
あなたは子供たち走るように言う。

ではこの文章をフランス語に直してみましょう。

間接目的語を使ったフランス語

私はちりまり電話する。
Je téléphone à Chirimari.
(ジュ テレフォヌ ア チリマリ)

彼はプレゼントを買う。
Il achète un cadeau à son père.
(イラシェットゥ アン カドー ア ソン ペール)

あなたは子供たち走るように言う。
Vous dites à vos enfants de courir.
(ヴ ディットゥ ア ヴォ ザンファン ドゥ クーリール)

例を見て分かるように『~に』となる間接目的語の場合、目的語の前に『 à』が置かれます

これが【間接目的語】ということです。

また、間接目的語は直接目的語と違って、人称代名詞に置き換えることが出来るのは、【人】のみになります。

『モノ』を人称代名詞に置き換えることが出来ない部分が【直接目的語】との違いになります。

では続いて間接目的語を人称代名詞に変えて文章を作ってみましょう。

間接目的語を人称代名詞に変えた場合

私は彼女に電話する。
Je lui téléphone.
(ジュ ルイ テレフォヌ)

彼は彼にプレゼントを買う。
Il lui achète un cadeau.
(イル ルイ アシェットゥ アン カドー)

あなたは彼らに走るように言う。
Vous leur dites de courir.
(ヴ ルール ディットゥ ドゥ クーリール)

元々あった『à』がなくなり、間接目的語となる人称代名詞が動詞の前に置かれています。

人称代名詞になった場合は、『à』も一緒に人称代名詞に変換されるということですね。

上記の例にない『me』、『te』、『nous』、『vous』も同様に、全て動詞の前に置かれます。

まとめ

日本語はあまり【人称代名詞】を使わない言語のため、固有名詞を代名詞に置き換えるということに慣れていないですよね。

さらにフランス語は代名詞になると目的語の位置も変わるなんて、頭がさらに混乱しそうです(^-^;

1つ1つ焦らずゆっくりと覚えていくのが一番です♪

それでは今回のおさらいです。

目的語の人称代名詞

日本語直接目的語『~を』間接目的語『~に』
me (ム)me (ム)
te (トゥ)te (トゥ)
彼(それ)le (ル)lui (ルイ)※『それ』は対応不可
彼女(それ)la (ラ)lui (ルイ)※『それ』は対応不可
私たちをnous (ヌ)nous (ヌ)
君(あなた)たち/あなたvous (ヴ)vous (ヴ)
彼ら(それら)les (レ)leur (ルール)※『それら』は対応不可
彼女ら(それら)les (レ)leur (ルール)※『それら』は対応不可
目的語となる人称代名詞
ポイント

【直接目的語】・・・目的語が『人』、『モノ』両方人称代名詞に変換可能。
【間接目的語】・・・目的語が『人』の場合のみ人称代名詞に変換可能
人称代名詞になると、目的語は動詞の前に置かれる。

今回の目的語になる人称代名詞の他、ややこしい名詞の性別、前置詞と定冠詞の縮約に関しても、以下の本で分かりやすく説明がされています。

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