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フランス語の過去形と未来形の種類と使い方

2022-11-09

フランス語には、過去形と未来形にいくつか種類があります。

過去形・未来形の種類

・近接過去(さっき~したところだ)
・近接未来(今から~するところだ)
・複合過去(昨日/1週間前/3年前~した/したことがある)
・単純未来(明日/2週間後/10年後恐らく~するだろう)
・半過去(過去の中で終わっていない行為)

日本語にも過去形と未来形はありますが、あまり明確に正しい文法で話さなくても会話が成り立ちますが、フランス語には文法上明確な決まりがあります。

過去形や未来形は会話の中でかなり頻繁に出てくる語彙の一つなので、日常会話が出来るようになるには覚えることが必須です。

上記に紹介したように、過去形・未来形、それぞれ種類がありますので、一つずつ見ていきましょう。

近接過去

『近接過去』は、現在からかなり近い過去になります。

日本語では、「~をしたところです/~をしたところだ」といった、『たった今何かをしたところ』と言いたいときに使います。

昨日の話や1年前の話など、時間がかなり遡る場合には『近接過去』は使用せず、基本的に『複合過去』を使用します。

『複合過去』の用法についてはこちらから確認出来ます。

動詞の前に『venir + de』を使用することで『近接過去』の用法になります。

近接過去

主語 + venir + de + 動詞の原形
~したところです/したところだ。

『venir』は主語に合わせて活用してください。

venirの活用

je viens
(ジュ ヴィアン)
nous venons
(ヌ ヴノン)
tu viens
(テュ ヴィアン)
vous venez
(ヴ ヴネ)
il/elle/on vient
(イル/エル/オン ヴィアン)
ils/elles viennent
(イル/エル ヴィエンヌ)
例文①

家に着いたところです。
Je viens d'arriver à la maison.
(ジュ ヴィアン ダリヴェ ア ラ メゾン。)

例文②

彼は夕食を食べたところです。
Il vient de dîner.
(イル ヴィアン ドゥ ディネ。)

『venir』の通常の動詞の意味は『来る』になります。

上記の『主語 + venir + de + 動詞の原形』と混同しないよう気をつけましょう。

例文①

私はパリから来ました。/私はパリ出身です。
Je viens de Paris.
(ジュ ヴィアン ドゥ パリ。)

この場合の『de』は『Paris』という名詞にかかっており、『~から』の意味になるので『近接過去』の用法ではありません。

例文②

君はお肉を買いに来る。
Tu viens acheter de la viande.
(テュ ヴィアン アシュテ ドゥ ラ ヴィアンドゥ。)

上記の場合は、『venir + de』の形ではないので『近接過去』の用法ではありません。

近接未来

『近接未来』は現在からかなり近い未来になります。

日本語では、「~をするところです/~をする予定だ」と言った、『この後(今から)何かをする予定』と言いたいときに使います。

数か月後の話や数年後の話など、かなり未来のことを話す場合には『近接未来』ではなく『単純未来』を使用することが多いです。

『単純未来』についてはこちらから確認出来ます。

動詞の前に『aller』を使用することで『近接未来』の用法になります。

『近接過去』とは違い、『aller』の後に『de』は不要です。

近接未来

主語 + aller + 動詞の原形
この後(今から)~するところです/する予定だ。

『aller』は主語に合わせて活用してください。

allerの活用

je vais
(ジュ ヴェ)
nous allons
(ヌ ザロン)
tu vas
(テュ ヴァ)
vous allez
(ヴ ザレ)
il/elle/on va
(イル/エル/オン ヴァ)
ils/elles vont
(イル/エル ヴォン)
例文①

私は公園に行くところです。
Je vais aller au parc.
(ジュ ヴェ アレ オ パーク。)

例文②

今夜私たちはオペラを見に行く予定です。
Nous allons voir un opéra ce soir.
(ヌ ザロン ヴワール アンノペラ ス ソワール。)

『aller』の通常の動詞の意味は『行く』になります。

英語でも、『~する予定だ』と言いたいときに『be going to』と『go(行く)』を使用するので、英語と同じように考えると分かりやすいかと思います。

『近接未来』ではなく、通常の『行く』の意味での用法は以下のようになります。

例文①

彼は学校に行く。
Il va à l’école.
(イル ヴァ ア レコル。)

例文②

君は毎週末両親の家に行く。
Tu vas chez tes parents tous les week-ends.
(テュ ヴァ シェ テ パラン トゥー レ ウィークエンドゥ。)

複合過去

『複合過去』は、現在から見て既に完了している過去に対して使います。

『近接過去』は現在からかなり近い過去に限定されていますが、『複合過去』は完了している過去全般に使います。

日本語では、「昨日~をした/既に~をしたことがある」といった、『既にその行為が完了していて現在は継続していないこと』を言いたいときに使います。

用法は、『助動詞 + 過去分詞』になり、英語で言うと『have + 過去分詞』と同じ形になります。

ただしフランス語の場合は『助動詞』が過去分詞に来る動詞によって2パターンに分かれますので注意が必要です。

複合過去

主語 + 助動詞 + 過去分詞
①主語 +  être + 過去分詞
②主語 + avoir + 過去分詞
~をした/既に~をしたことがある

①êtreを使った複合過去

『être』を助動詞とする場合の動詞は多くなく、主に自動詞と代名動詞になります。

日常会話で使う単語は限られているので、以下の動詞が助動詞『être』になると覚えておけば、基本的に会話に問題はないかと思います。

『être』を助動詞とする動詞

aller (allé)
行く
venir (venu)
来る
sortir (sorti)
出る
entrer (entré)
入る
partir (parti)
出発する
arriver (arrivé)
到着する
naître (né)
生まれる
mourir (mort)
死ぬ
monter (monté)
上る
descendre (descendu)
降りる
rester(resté)
とどまる
tomber (tombé)
倒れる
passer (passé)
立ち寄る
rentrer (rentré)
帰る
retourner (retourné) 戻る
devenir (devenu) になる
!注意!

『être』が助動詞の場合は、過去分詞は主語の姓と数に一致する!
ただし、発音は全て同じ。

例文①

私(男性)はルーヴル美術館に行ったことがあります。
Je suis déjà allé au Musée du Louvre.
(ジュ スイ デジャ アレ オ ミュゼ デュ ルーヴル。)

私(女性)はルーヴル美術館に行ったことがあります。
Je suis déjà allée au Musée du Louvre.
(ジュ スイ デジャ アレ オ ミュゼ デュ ルーヴル。)

例文②

彼らはパリに到着しました。
Ils sont arrivés à Paris.
(イル ソン タリベ ア パリ。)

彼女らはパリに到着しました。
Elles sont arrivées à Paris.
(エル ソン タリベ ア パリ。)

例文③

あなた(男性一人)はリヨンで生まれました。
Vous  êtes né à lyon.
(ヴ ゼットゥ ネ ア リヨン。)

あなた(女性一人)はリヨンで生まれました。
Vous  êtes née à lyon.
(ヴ ゼットゥ ネ ア リヨン。)

あなたたち(複数)はリヨンで生まれました。
Vous  êtes nés à lyon.
(ヴ ゼットゥ ネ ア リヨン。)

② avoirを使った複合過去

『être』が助動詞になる動詞以外は『avoir』を使うと覚えてもらって大丈夫です。

そのため、基本的にほとんどの動詞が『avoir』を助動詞とします。

!注意!

『avoir』の場合は主語の姓と数は気にする必要がなく、過去分詞は常に同じ形になる!

例文①

私はフランスでカエルを食べました。
J’ai mangé une grenouille en france.
(ジェ マンジェ ユヌ グルヌイユ アン フランス。)

彼女はフランスでカエルを食べました。
Elle a mangé une grenouille en france.
(エ ラ マンジェ ユヌ グルヌイユ アン フランス。)

彼らはフランスでカエルを食べました。
Ils ont mangé une grenouille en france.
(イル ゾン マンジェ ユヌ グルヌイユ アン フランス。)

例文②

君は昨日歌を歌いました。
Tu as chanté une chanson hier.
(テュア シャンテ ユヌ シャンソン イエール。)

あなたは昨日歌を歌いました。
Vous aves chanté une chanson hier.
(ヴ ザヴェ シャンテ ユヌ シャンソン イエール。)

彼女は昨日歌を歌いました。
Elle a chanté une chanson hier.
(エ ラ シャンテ ユヌ シャンソン イエール。)

例文③

私は既にその映画を観ました。
J’ai déjà vu ce film.
(ジェ デジャ ヴュ ス フィルム。)

彼は既にその映画を観ました。
Il a déjà vu ce film.
(イ ラ デジャ ヴュ ス フィルム。)

あなたたちは既にその映画を観ました。
Vous avez déjà vu ce film.
(ヴ ザヴェ デジャ ヴュ ス フィルム。)

単純未来

『単純未来』は、遠い未来になり、『近接未来』に比べて実現性が低い表現になります。

『近接未来』は「今すぐ」や「今夜」など現在にかなり近いため高い確率で起こりえますが、『単純未来』は「1か月後」や「1年後」など現在から遠い未来のため、実現する確率は『近接未来』よりは低くなります。

日本語では、「3日後恐らく~をする予定です/1年後恐らく~をするだろう」といった、『恐らく~をするだろう』と言いたいときに使います。

『近接未来』は英語の『be going to』と『go(行く)』にあたり、『単純未来』は英語の『will(~だろう)』にあたると考えたら分かりやすいかと思います。

!ポイント!

『近接未来』…aller + 動詞原形 →英語の『be going to』
『単純未来』…動詞自体を活用→『will

ただし、フランス語の場合は英語の『will』にあたる助動詞はなく、動詞自体を活用させることで『will』の意味にさせます。

動詞自体を活用させるので、『単純未来』と呼びます。

動詞の活用の仕方

je -rai
(ジュ -レ)
nous -rons
(ヌ -ロン)
tu -ras
(テュ -ラ)
vous -rez
(ヴ -レ)
il/elle/on -ra
(イル/エル/オン -ラ)
ils/elles -ront
(イル/エル -ロン)

動詞の活用は、基本は元々の動詞の語幹に上の語尾がつく形になりますが、いくつかの動詞には例外があります。

語幹の例外

être → je serai, tu seras, il/elle/on sera, nous serons, vous serez, ils/elles seront
avoir → j’aurai, tu auras, il/elle/on aura, nous aurons, vous aurez, ils/elles auront
aller → j’irai, tu iras, il/elle/on ira, nous irons, vous irez, ils/elles iront
venir → je viendrai, tu viendras, il/elle/on viendra, nous viendrons, vous viendrez, ils/elles viendront
faire → je ferai, tu feras, il/elle/on fera, nous ferons, vous ferez, ils/elles feront
pouvoir → je pourrai, tu pourras, il/elle/on pourra, nous pourrons, vous pourrez, ils/elles pourront
単純未来

主語 + 動詞の語幹 + 動詞の活用
je -rai, tu -ras, il/elle/on -ra, nous -rons, vous -rez, ils/elles -ront
(〇日後/〇か月後/〇年後、恐らく~するだろう/する予定だ)

例文①

私は明後日出発する予定です。
Je partirai après-demain.
(ジュ パルティレ アプレ ドゥマン。)

例文②

彼女は恐らく君の誕生日会に行くだろう。
Elle ira à ta fête d’anniversaire.
(エ リラ ア タ フェットゥ ダニヴェルセール。)

例文③

私たちは来年子供がいるだろう。
Nous aurons un enfant l’année prochaine.
(ヌ ゾーロン アナンファン ラネ プロシェン。)

半過去

『半過去』は過去の中で継続していた行為かつ現在は終わっている行為を表します。

日本語では、「あの時~していた/当時~したものだ」と言いたいときに使います。

つまり、『あの時』や『当時』が既に過去を指しており、その過去の中で『水泳を習っていた』や『毎朝散歩をしていた』などの継続していた行為が『半過去』になります。

半過去の場合は助動詞はなく、動詞自体を活用します。

動詞の活用の仕方

je -ais
(ジュ -エ)
nous -ions
(ヌ -イオン)
tu -ais
(テュ -エ)
vous -iez
(ヴ -イエ)
il/elle/on -ait
(イル/エル/オン -エ)
ils/elles -aient
(イル/エル -エ)

語幹の例外

être → j’étais, tu étais, il/elle/on était, nous étions, vous étiez, ils/elles étaient
半過去

主語 + 動詞の語幹 + 動詞の活用
je -ais, tu –ais, il/elle/on –ait, nous -ions, vous -iez, ils/elles -aient
(あの時/当時/〇年前、~をしていた)

例文①

子供の頃、彼は水泳を習っていました。
Quand il était enfant, il apprenait à nager.
(カン イレテ アンファン、イラプルネ ア ナジェ。)

例文②

あの頃毎朝散歩をしたものです。
En ce temps-là, je me promenais tous les matins.
(アン ス タン ラ、ジュ ム プロムネ トゥー レ マタン。)

例文③

私が家に帰ってきたとき、夫は本を読んでいました。
Mon mari lisait un livre quand je suis rentrée à la maison.
(モン マリ リゼ アン リーヴル カン ジュ スイ ラントレ ア ラ メゾン。)

まとめ

フランス語には、過去形や未来形にいくつか種類があることが分かりました。

過去形・未来形の種類

・近接過去(さっき~したところだ)
・近接未来(今から~するところだ)
・複合過去(昨日/1週間前/3年前~した/したことがある)
・単純未来(明日/2週間後/10年後恐らく~するだろう)
・半過去(過去の中で終わっていない行為)

助動詞を使うものや、動詞自体が活用するものなど様々です。

『近接』と『近接以外』の使い分けは線引きがあいまいで難しいですが、そう遠くない過去や未来の場合は基本的に『近接』を使用しても問題ありません。

半過去だけが、視点が現在ではなく『過去』になり、『ある過去の1点で継続していた行為』になるので注意が必要です。

まずは『近接過去』と『近接未来』が使えるようになれば日常会話においてあまり問題はありません!

1つずつ意味を理解して使えるようになっていきましょう♪

フランス語初心者の方は以下のテキストがお勧めです(^^)